2011年度開講
世界の水安全保障と日本の科学技術の貢献〜問題解決へ向けた「水の知」〜(2011年度)
21世紀は人口増加、経済規模の急拡大と気候変動に伴い、世界で水をめぐる紛争が起こるとさえ言われています。その一方で、水と衛生分野への日本の ODA実施額は世界最大であり、最近では政府の支援のもとで日本企業も海外に向けた水ビジネス展開を目指しています。また、日本の水処理技術は世界最高レ ベルといわれ、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書では、水循環や水資源の分野をはじめとして日本から多くの科学者が貢献しています。
水をめぐって、日本と世界の関係がより密接で複雑になる中で、日本の政府・企業・個人が世界の水の安全保障に貢献するためには、より積極的で戦略的な思考 が必要です。しかし、世界の様々な地域で水に関する利害は錯綜し、水を管理する実務が多岐にわたっている中で、水に関する「知」は様々な分野に分散してい ます。そこで、分野・組織横断的な知識体系を統合的に学ぶため、世界の水問題とその解決へ向けた技術と制度を概観するとともに、水に関連する各分野の第一 線の研究者・実務者たちに話題提供をいただきながら講義を行います。
本講義に参加する学生の文理、学年を問いません。あらゆる分野を志す学生の参加を歓迎します。
関連ホームページ:
http://www.wow.u-tokyo.ac.jp
講義一覧
第3回
水を巡る国家間の確執と協調
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中山 幹康
第4回
世界に向けた日本の水戦略
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吉村 和就
第8回
エンジニアリング企業による海外水事業展開
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大熊 那夫紀
第10回
水利用のデザインとマネジメント
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窪田 亜矢