東京大学のオープンコースウェア・UTokyo OCWでは、学部1・2年生を対象に開講されている「学術俯瞰講義」の講義資料と講義映像を数多く公開しています。
学術俯瞰講義は「俯瞰的に見る」というコンセプトを持った講義です。毎年異なるテーマが設定され、テーマごとに多彩な講師陣が講義を行います。学際的なテーマであれば、文系・理系を問わず様々な専門分野の先生方が登壇され、共通の問題を解決するための様々な視点や方法論を提示します。また、数学や古典といった専門的なテーマの場合にも、回ごとに異なる専門性の高い内容が語られ、これらの分野がいかに豊かな広がりを持ったものであるかを実感することができます。
「俯瞰的に見る」とはどういうことなのかがわかりやすく示されている例をご紹介します。
2007年度に開講された「情報が世界を変える―技術と社会、そして新しい芸術とは」というコースでは、このような俯瞰図が使用されていました。
「情報」というテーマの射程の広さがよくわかります。異なる分野の先生方が、それぞれどのような視点で情報というテーマと関わりアプローチしているのかということを、講義全体を通して知ることができます。
また、2017年度に開講された「工学とは」というシリーズでは、毎回の講義がどのような位置づけに置かれているかを示すために、このような図が使用されていました。
「工学」という非常に幅広い学問には、切り口によっていくつもの分類方法があることが伺えます。また、そうした詳細な分野のそれぞれが独立したものではなく、互いに分かち難く関わり合っているということも見て取れます。
後期課程に進む前の1・2年生にとって、「俯瞰する」というコンセプトの学術俯瞰講義を履修することは、学問分野を広い視点から眺めることに繋がり、今後の進路選択の手がかりとなります。実際に、学術俯瞰講義を履修した学生のみなさんからは、進路選択の参考になったという感想が多く出ています。また、自分が履修してきた他の講義と結び付け、それぞれの講義がどのように関わっているのかを捉え直すきっかけになったという声もあります。
大学に入学したばかりで今後どのような進路を選択していけばよいのか悩んでいるみなさん。「俯瞰する」ということの大切さを実感している大学院生や研究者のみなさん。そして、これから大学に進学を考えているけれども、何を学んでいけばよいのか悩んでいる高校生のみなさん。
ぜひ、講義シリーズの一覧の中から関心のあるシリーズを選んで、各授業の資料や映像をご覧ください。
今後の進路選択や研究の進め方に役立つヒントが見つかるはずです。