2012年度開講
知と幸福(朝日講座「知の冒険—もっともっと考えたい、世界は謎に満ちている」2012年度講義)
「幸福」は照れくさい言葉です。テレビドラマでは連呼されても、私たちの日常生活では意外に口にされませんし、ましてや細分化された学問の世界ではなかなか正面から扱うのが難しいようです。しかし、このところ――とりわけ2011年3月以降――メディア等でしきりに取り上げられる「不安」「リスク」「危機管理」「希望」といった概念をつきつめていくと、その根底には私たちが「幸福」なる得体のしれない感覚とどのように付き合うかという問題があることがわかってきます。最近、「幸福」そのものを題材とした研究があらためて増えつつあるのもそのためかもしれません。
この授業では文系理系の垣根を越え、「幸福」という概念がさまざまな知のフィールドでどのような意味を持つかについて――ときには批判的な視点をまじえながら――考察します。この講義を通して、ふだん接する機会のあまりない他の分野で、どのようなものの考え方がされているかを体験する機会にもなるかと思います。
講義一覧
第1回
幸福と希望の曖昧な世界
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玄田 有史
第6回
動物たちの「しあわせ」と人間中心主義の狭間で
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林 良博
第8回
幸せに住むということはどういうことか?
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大月 敏雄
第13回
HOUSE VISION 産業の未来を可視化する
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原 研哉