8月のおすすめ講義①🌻

こんにちは、UTokyoOCWスタッフです。

既に多くの大学では、春から続くオンライン授業にひと区切りがつき、夏期休暇に入りました。大学に関わる誰しもが初めての経験の中で、手探りながらもひたむきになんとか最後まで走り切った期間だったのではないでしょうか。しかし孤立した学習環境の中で、単位認定のために例年よりも多くの課題をこなしながら、「自分はいったい何のために/どうして勉強しているのか」と五里霧中に陥ることもあったかと思います。そこで今回は、のびのびと学ぶ楽しさを改めて感じられるように、「数学と生活」をテーマにした講義をいくつかご紹介します。

舘知宏先生「計算折紙とかたち」&「折紙のメカニズム」

(2016年度開講学術俯瞰講義「図形から広がる数理科学」より第4回&第5回)

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_1406/

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_1407/

幼いころに多くの人が触れたことのある折紙には、学問上大きく2つの可能性が秘められています。1つは折板構造と呼ばれ、建築などでも応用される軽くて丈夫な折紙が作るかたちであり、もう1つは展開構造物と呼ばれ、宇宙船のソーラーパネルに用いられている小さく畳める特性です。舘先生の講義では、あらゆる折紙の構造を一枚の紙から織り上げる平面展開図や、私たちの生活に浸透する剛体折紙という仕組みが取り上げられます。

増田直紀先生「ネットワークがもつ普遍的な構造」&「不平等性の数理」&「ネットワーク上の感染症伝播」

(2011年度開講学術俯瞰講義「国境なき数学―ことばを越えて社会とともに」より第8回&第9回&第10回) 

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_909/

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_910/

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_911/

新型コロナウイルスに関する報道でよく耳にする「クラスター」という言葉は、もちろん疫学上の用語ではありますが、本来はもっと広くネットワークの性質を示す言葉でもあります。一方で、数学とネットワークは、今や機械学習の発達によって莫大なデータから研究の引用・被引用や産業構造の近接性など、様々な研究のために応用されています。本講義では、そうしたネットワークに関する基礎的な構造と、それを示す様々なモデルが丁寧に紹介されます。

松本眞先生「気づかぬうちに、デタラメのお世話に」&「デタラメさを作るのって、難しい」&「1+1=0の世界の数字で、デタラメさを作る」

(2011年度開講学術俯瞰講義「国境なき数学―ことばを越えて社会とともに」より第11回&第12回&第13回) 

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_912/

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_913/

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_914/

数学は自然界で最も厳密な言葉であると言われますが、松本先生曰く、そうした数学のデタラメさが私たちの生活を支える情報技術を形作っています。具体的には、インターネット上で誰もが持っているパスワードなど大事な情報を保護するために、暗号化というそれらが漏洩しても第三者に内容がわからないデタラメさが応用されています。本講義ではこれらの他にも、原子爆弾など科学実験におけるシミュレーションの手法の中に、同様の原理が用いられていることを挙げています。

OCWでは、「数学」をテーマにした幅広い講義を掲載しています。今回ご紹介したような、私たちの生活と数学との関わりから出発する講義は、学術俯瞰講義シリーズで数多く公開されています。その他にも、より専門的に数学を探求の道具として使いこなすための「数理手法」や「確率論」などの講義も用意されています。キャンパスで講義を受けられないという状況の中でも、オンライン環境の中で自分に合った学習を進めていくことで、楽しく学びを続けていきましょう。